女系天皇議論、遅々として進みませんねw。
今日は古代史ファン的な視点で、万世一系になった背景を考察してみたいと思います。
①記紀には男系指定は文章としては明示されていないのが1つ(明治の旧皇室典範から男系が文章として指定(皇室典範)でも私が辿れたのは1947年の皇室典範。男系が明確に指定されたのはこのへんからつまり近代w)。下記は日本書紀のアマテラスの神勅(神勅っていうのか?w)。とくに男系指定は入ってません。
天壌無窮の神勅
皇孫に勅して曰はく、「豊葦原の千五百秋の瑞穂の國は、是、吾が子孫の王たる可き地なり。宜しく爾皇孫、就きて治せ。行矣、宝祚の隆えまさむこと、当に天壌と窮無かるべし」
【口語訳】
天照大御神が瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に勅して申されるには、
「豊かで瑞々しいあの国は、わが子孫が君主として治めるべき国土です。わが孫よ、行って治めなさい。さあ、出発しなさい。皇室の繁栄は、天地とともに永遠に続き、窮まることがありません。」
②次に日本書紀の系譜としての婉曲的男系主張の件
『古事記』、『日本書紀』やその他歴史書の記載によれば、「日本の皇統は初代神武天皇から第126代天皇徳仁まで男系(父系)の血筋のみで続いてきた万世一系だと呼ばれ、世界で一つの一族による君主在位の最長記録を更新し続けている」とされる
日本書紀は正史で国書で、国の正当性を外国、外国と言っても当時は”中国”に表示する目的で作られております(古事記は国内統制のためです)。外交戦略としての書ということになります。
日本書紀の成立は720年。
一方で中国で最初で最後の女性皇帝が死亡したのは705年。
かの悪名高き則天武后ですねw。則天武后以降の中国人が、706年以降に則天武后のトラウマで、則天武后が女性だったため「女性の皇帝はあかん」という女性全般にまで広めて呪いをかけましたw。そこからさらに「女が政治をするのはだめ」という考えが高まった。つまり705年までは中国では女性・女系皇帝は可能(現実可能だったという意味。もともとそれ以前から女性皇帝という考え自体は否定されがちだった)でしたが、則天武后により女性による統治を完全否定されたのです。あまりに強烈な統制をしたため、彼女の評価から昇華されて、女性が政治をするのはだめ、という思想がより強固になっていったのです。
したがって、日本書紀が制作されているときは、まさに「女の皇帝はあかんで、国ほろぼすで」という主張が中国でとてもにぎやかしくなっていた時期だったことが想像できます。また則天武后以前からも中国では女性天皇・皇帝自体を否定する考えはあり、当時朝鮮半島で女性の皇帝がおりましたが、中国は「しんじらんなーい」ということでかなりディスったという話もありますね(630年ごろ)。
※ちなみにこの善徳女王は呪術面担当でして、卑弥呼と同じです。挑戦や倭国では、それまで実際女性の王は誕生しており、中国的思想特に不足天以降の強烈な女性統治の否定、と相いれないところがでてきた。
”いよいよまずいな。。。なんとか寄せれないかな。。。”
そういった状況下で日本書紀は制作されていった。
したがって推測するに、日本は当時、中国に、「俺らはちゃんとしてる」を演出するために、中国の価値観に寄せていく必要があったわけで、なぜわざわざ、日本書紀に男系の万世一系を表したかというと、価値観を中国に寄せていくためのものだったことが想像されます。他にわざわざ記載する意味がありませんw。いわば、中国の思想に認めらたいがための系譜アピール。「俺らはときどき女性天皇もいたけど、基本的に男で政治を回してますので、中国さんと同じなんですよ」ってw。見方を変えると、中国で則天武后が万々歳で終業していたら、俺ら男で回している、という系譜主張は生まれなかった可能性がある。
つまりもっと端的に言うと、中国思想前提の日本書紀である限り、系譜はコントロールされた、事実と異なっていた可能性があると思いませんか?そしてなぜアマテラスを初代天皇とせず、神武起点にしたか、とか卑弥呼が記紀に登場しないことなども、あくまで中国さんの目線で書いてるからなわけなんじゃないでしょうかね。女起点だと、対中国的に非常に都合が悪かったwコントロールされたことの裏付けとしては記紀間でいるひと、いないひと、がおられますね。系譜、いじくってますよねw また日本書紀は他のくだりでも、いじくった跡が散見されています。
上記2点から、
現代人が日本書紀に男系の正当性を求めるのは非常に危険なのではないでしょうか。もともと日本書紀こそ事実を都合のいいようにいろいろとゆがめて記載した、あくまで外交上の戦略の書であることはせめて理解した方がいいと思う。つまり極論をいうと天皇の系譜だって、中国思想に”寄せていくため”に女の天皇はいるけど全部一応男系なんでっせ、という見せかけにするために、事実と異なる系譜にした可能性は大いにあると思われます。
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