The Great Gatsby (華麗なるギャツビー)ていう本ありますね。
ハルキストだった遠い昔、学生時代に和訳を文庫で読みましたが、さっぱりわからなかった。先日映画の方を見て、激しく心つかまれた。
なんでか?
答え:中年になったからw。
ギャツビーさんの物語は、大変美しい表現のかっこいい文章に心酔して冷静さを失ってしまいがちですが、ふと冷静に見ると、これって中年の危機の話なんじゃないんでしょうか。全般中年の危機的症状が出まくっている!そして中年はこれに激しく心打たれる!
中年の危機とは(wikiより)
1960年代までは人生の最盛期として認識されてきた[1]。1970年代より発達心理学では、中年期を大多数の大人が経験する人生の一つの段階として研究が進められ、臨床心理学などを含めて「中年期危機」という用語が用いられるようになった。中年の危機は30代後半から40代にかけての中年の入り口で体験される
中略
兆候↓
①空の巣症候群
②自己の限界の自覚
③達成する事の出来なかった物事への深い失望や後悔
④より成功した同輩・同僚に対する屈辱感・劣等感
⑤自分はまだ若いと感じたい、また若さを取り戻したいという思い
⑥一人になりたい、もしくは気心の知れた者以外とは付き合いたくないという欲求
⑦性的に活発になろうとする、もしくは逆に全く不活発になる
⑧自身の経済的状況や社会的ステータス、健康状態に対する憂鬱不満や怒り
⑨人生の前段階で犯した過ちを正す、または取り戻そうとする
ーー
ギャツビーさんはまだ30代前半ですけども。まあ寿命も短い時代ですし、だいたいwikiとあってることにしよう(強引)。
この小説は1970どころか1925年の話ですけども。要するに中年のパイオニア、それがギャツビーさんだったんだと思う。主人公たちはいわゆる第1ロスジェネ世代。中年の危機という概念がない時代に、その症状を如実むきだしに、表現してますよね?
ロスジェネ世代は今中年期。ロスジェネと中年というダブルパンチはさぞつらい思いをしている人もいるでしょう。ここ数年この世代が倍返し的中年の危機に遭遇していることはひそやかなる現象で、メディアには決して取り上げられないでしょう。でもね、私はわかりますよ!w
名文と言われる最後の文章を張り付けておきますので、これにぐっと来たロスジェネはぜひも一度読むか観るかをおすすめしたい。AからBという流れにシフトするとき、そのちょうど間に挟まれた世代というのはアメリカでも日本でもあるようですが、それってちょうどいまのロスジェネと年齢というタイミングてきにも、いままさに同じ状況ですよね。ダブルで!(しつこい)。
ーーーーギャツビーは、その緑色の光を信じ、ぼくらの進む前を年々先へ先へと後退してゆく狂騒的な未来を信じていた。あの時は僕らの手をすり抜けて逃げて行った。しかし、それはなんでもない・・・あすは、もっと速く走り、両腕をもっと先までのばしてやろう・・・・・・そしていつの日にか・・・こうしてぼくたちは、絶えず過去へ過去へと運び去られながらも、流れにさからう舟のように、力のかぎり漕ぎ進んでいく。----
いいですね~ロスジェネの無様なじたばたを、こんなにかっこよく表現してくれてるんですよw ありがとう、ぎゃつびー(というかフィッツジェラルド)。
安易に"いま"や"近視眼的未来"に迎合したり、かといって過去の幻影にこだわりすぎると、ギャツビーさんみたいに運び去られるのですよ。それがロスジェネ世代なのではないかと思いました。ギコギコ。おちついて、いきやー!
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